倉木麻衣の歌詞に否定的な人は多い。彼女の歌詞は稚拙で奇麗事ばかりだという。本当にそうなのか。いいや、倉木麻衣の歌詞は、楽観主義に生きる力強い人生観に裏づけされた、深く味わいのあるものなのだ!ということを書き綴っていくブログです。
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「SAFEST PLACE」についてかくつもりでしたが、予定を変更して「I sing a song for you」(5thアルバム「FUSE OF LOVE」収録)にしたいと思います。

この曲は倉木麻衣史上もっとも悲しい曲だと、私は思っています。この曲を聴くと悲しいとか、苦しいといった感情が沸きます。
確かに倉木麻衣らしくポジティブといえばポジティブですが、逆にそれが痛々しく感じられます。
この曲の主人公はまだ苦しみのなかにいるのですから。
この曲での「君」はこの世にいません(と考えるのが素直でしょう)。

いつまでも 心に刻む 君のこと
忘れたい 忘れない きっと


冒頭で、「私」(←2番の歌詞のなかで一人称で使われています)は「君」のこと〝いつまでも心に刻む〟といいます。しかし、一方で〝忘れたい〟という気持ちもあった。
「君」のことを忘れてしまえば苦しみから逃れられるのですから。
しかし、「私」は〝忘れたい〟の次に〝忘れない〟とはっきりと意志を込めていいます。
無駄な言葉を省き、「忘れたい 忘れない」を続けて置いたのが、絶妙。
忘れたい→忘れない、という感情の変化を感じさせます。

静かにここから舞い上がり
自由に空飛ぶ鳥のように
苦しみすべて 解き放たれてゆくまで


上の詞はサビに続いています。

君が触れたその手を 離さないでいて
新しい朝 I don't cry, and
何も見えなくても 心に映し出し
やさしく微笑ってる 君が見えるようで
I sing a song for you


〝忘れたい〟と思っていた頃は、「私」はきっと毎日泣いて過ごしていたのでしょう。
しかし、〝忘れたい〟から〝忘れない〟に変わった〝新しい朝〟には、もう泣くことはしません。
「君」は「私」の心のなかに映し出されているからです。

その「君」に、苦しみから解き放たれるまではその手を離さないでいて、といいます。
「君」がいくら心に映し出されているからといって、生きている「君」の代わりにはなりません。
だから、「私」は強さを見せる反面、弱さも見せています。

この曲における主人公の強さとは何か?

2番サビで「君」がさらに鮮明に見えてくることになります。
やさしく微笑ってる 君が見えるようで
→「君が見えるからいつもそばにいてね
(ここらへんは2005年9月13日付のOHHO日記さんで分かりやすく分析されています
http://homepage1.nifty.com/ohho/ohho02.html

大切な人を亡くした苦しみを乗り越える方法・・・
この曲において、かなり特異的なアプローチがされています。
心に映し出」すことで、最後には、君がみえる状態にまで行きつきます。
映し出されるスクリーンは言うまでもなく〝心〟です。
では、映し出す映写機はなんでしょうか?
「私」でしょうか?
もちろん映写機を扱う人は「私」なわけですが、「私」自体が映写機になるというわけではありません。「私」の記憶が映写機として働くことは考えられなくもないですが、「映し出す」がどうもしっくりきません。

じゃあ、映写機はなんなんだろう・・・
それははっきりとは分かりません。
ですが、「私」の周りの空間になんらかの「君」の存在を感じている、ということはいえると思います。
そうした漠然としたものを心のスクリーンに映し出すことで君といつまでも共にいる、そうすることで「私」は悲しみを乗り越えようとします。

この曲における主人公の弱さとは何か?

静かにここから舞い上がり
自由に空飛ぶ鳥のように
苦しみすべて 解き放たれてゆくまで


どうしてもまだ I don't say good bye」(2番サビの歌詞)

この二つの言葉から、「私」の弱さがうかがえます。
(いや、大切な人をなくした人に対して弱いなんて言ってはいけないと思いますが、この曲の切なさを表すために〝弱さ〟という表現を使わせて頂きます。)
「私」は、いつか「君」とは別れなければならないと思っているようです。
「私」が君を「心に映し出」すことは一生続けていくのだと思います。
しかし、ある意味においての「さよなら」=「静かにここから舞い上がり自由に空飛ぶ鳥のように苦しみすべて解き放たれてゆく」までは、「君」にそばにいてほしい。
どうか、「私」を守って欲しい。
その気持ちを「君」にむけて歌う、それが「I sing a song for you」だと私は思います。



いつも以上に雑然としていて分かりにくいぞ♪
この詞の魅力が私の文筆力でどうにか伝わるわけありません。
この曲は悲しい。
前向きではありますが、やっぱり悲しい。
でも・・やっぱり倉木さんらしく前向きさを与えてくれる曲だなぁと思います。
歌唱も冴えわたっています。
私は「いつも側にいてねー」の「ねー」ってところが一番好きですね。
こりゃあもう、何度も聴いて、何度も詞を味わってみるしかないっす♪
コメント
この記事へのコメント
僕はデビューアルバムの頃の倉木麻衣が好きで特に「STAY BY MY SIDE」とか「SECRET OF MY HEART」とか好きですね。
HARDROCKのブログ書いててなんですが…
2006/07/06(木) 21:30 | URL | ぴぃたぁぐりん #-[ 編集]
「静かにここから舞い上がり自由に空飛ぶ鳥のように苦しみすべて解き放たれてゆく」
の部分は「死ぬ」の婉曲表現と考えます。
「静かに...」からは自殺の可能性はないので「天寿を全うする」
の婉曲表現と考えます。
ここで「私」はとてつもない決断をしています。
余命があと50年あろうが100年あろうがその間苦しみから逃れられることはない
それでもあなたを「忘れない」そう決心したと考えます。
2006/07/06(木) 22:28 | URL | adachima #-[ 編集]
>ぴぃたぁぐりんさん
はじめまして。
「Stay by my side」や「Secret of my heart」が特に好きだという人は多いですよね。
2nd以降はあまりお好きではないですか?

ブログ拝見しました。
エリック・クラプトンは結構好きなんですが、クリームはあまり聴いたことがないですね。
こんな暑い日には激しい音楽が聴きたくなります。今度、クリームも聴いてみよっと。
2006/07/06(木) 23:14 | URL | SaySay #-[ 編集]
>adachimaさん
はじめまして。
私も最初はそう捉えていました。
しかし、私にはどうしても次の疑問がぬぐえませんでした。
「大切な人を失ったら、死ぬまで苦しみ続けなくちゃいけないのか。
生きているうちに、自由に空を飛ぶ鳥のように苦しみがすべて解き放たれてゆくことはないのか」
・・・長くなりそうなので、ブログに改めて書きたいと思います。
2006/07/06(木) 23:24 | URL | SaySay #-[ 編集]
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