倉木麻衣の歌詞に否定的な人は多い。彼女の歌詞は稚拙で奇麗事ばかりだという。本当にそうなのか。いいや、倉木麻衣の歌詞は、楽観主義に生きる力強い人生観に裏づけされた、深く味わいのあるものなのだ!ということを書き綴っていくブログです。
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前回の「Ready for love」に引き続いて、今回は『DIAMOND WAVE』の4曲目「Juliet」の歌詞について。

シェイクスピア作「ロミオとジュリエット」にインスピレーションを受けて書かれたという今作ですが、私がまず感じたことは、なぜ、この曲のヒロインはジュリエットでなければならないのだろう、ということです。
この曲の「僕」と「君」の間に、互いにいがみ合っている家元に生まれたとか、そういう運命的な障壁が存在しているわけでもない。ましてや無残な最期を迎えるわけでもない。
それじゃあ、これは単なる普通の恋愛の歌詞ではないかと思ってしまうわけです。
一体、倉木麻衣は「ロミオとジュリエット」の何にインスピレーションを受けたのだろう。
そんなことから、私はこの曲の云わんとしているところは何か、考えていきました。
まずは1番の歌詞から。「ロミオとジュリエット」と比較してみます。

こんな風に朝を/一人で迎えるのは辛い
ロミオはヴェローナ(ロミオとジュリエットが住んでいるイタリアの市)を追放された後、辛い朝を一人で迎えたはず。

夢の中の僕達は/ちゃんと歩き始めているのに
岩波文庫『ロミオとジューリエット』より引用してみると、

ロミオ
さも真らしくみせかけて嬉しがらせる夢を信じてよいものなら、何か嬉しい知らせがもうすぐ来るような気がする。
(中略)
夢の中で恋人が死んでいる俺の所にやってきて、――
死人がものを考えられるというのも夢だからであろうが、妙といえば妙な話だ――
俺の唇に何度となく接吻して命を吹きこんでくれた、
すると、どうだ、俺は生き返り、帝王になった。
ああ、ただの恋の夢でさえこんなに楽しいのだから、本当の恋の味わいはどんなに甘いものであろうか!


この部分が一致してる。

あぁ だけど 君がふれた心/求め続けている/今すぐ 時計ゼロに戻し/もう一度 会いたいから
これも「ロミオとジュリエット」の世界観に違わない。

Can't you see, I am
「こんな気持ちでいる僕を、君は見ることができない」という意味かなぁ。ロミオは追放されているので、ジュリエットがロミオを見ることは勿論不可能。

ここまではいいんですが、サビで「君を引き止めて抱きしめて言うよ」と来て、あれっ?
追放されるのはロミオでしょ?
それで「そばにいて」って言われてもなぁ。
何も恐れずに Juliet」って、キャピュレット家が怒り狂っちゃうよ?

ということで、どうやら「ロミオとジュリエット」の現代版を再現しようとしているわけではないようです。

では、「ロミオとジュリエット」の何にインスピレーションを受けたのでしょう。
鍵は2番の歌詞にあります。

あぁ だけど いつも君を失くす
不安に包まれてた
それは 自分自身信じられなくて
強がってた


「ロミオとジュリエット」のロミオには、不安とか自分自身が信じられないとか、そんな感情は見受けられません。
あるのは、ジュリエットへの熱情のみです。

それに対し、この曲の主人公はなんか弱っちい感じがします。
「君を失くす不安」からか、自ら障壁をつくるような人物です。
ロミオはどうか。
運命という絶対的な障壁に翻弄されながらも、ジュリエットへのひたむきな愛情は揺らぐことがなかったではないか。
現代人、というか人間の間柄というは些末な問題で簡単にすれ違いが生じて、お互いを思う愛情に陰りがでてしまうものです。

この曲は私たちに訴えかけます。

-ロミオはどうだったか
-ジュリエットはどうだったか
-二人の愛を思い返してみろ
-お前の愛はそんな障壁ごときで打ち砕かれてしまうのか

去っていく「君」を引き止め、口づけを交わす主人公。
二度と君を離さずにいることを誓います。
ドラマならこれで大団円といきたいところでしょうが、人生のなかでもっと厳しい障壁に必ずぶつかることでしょう。
果たして、二人の愛はそれを乗り越えていけるのしょうか。
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