倉木麻衣の歌詞に否定的な人は多い。彼女の歌詞は稚拙で奇麗事ばかりだという。本当にそうなのか。いいや、倉木麻衣の歌詞は、楽観主義に生きる力強い人生観に裏づけされた、深く味わいのあるものなのだ!ということを書き綴っていくブログです。
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「雪は天から送られた手紙である(中谷宇吉郎著『雪』より)」


これは、雪の結晶の形から大気上層の気象の状態が類推できるということを詩的に表した、中谷宇吉郎の有名な言葉です。
彼は専ら、科学的な視座からこの言葉を用いたのでしょう。
でも、ここでは彼の言葉の詩的な部分だけを拝借して、倉木麻衣の「白い雪」を眺めてみたいと思います。

倉木は「白い雪」で、ひたすら“あなた”への想いを唄っています。雪が天から届けられた手紙であるのなら、遠い距離を越えて人と人を結び合わせることもできる――。
なぜだかよく分かりませんが、雪にはそういうイメージがあります。
雪はその際立った白さから、純潔さの象徴として詠われてきました。「白い雪」がそれに託すのは、過去の濁りの無い相愛の象徴と、まっしろな便箋に書きなぐるかのような強い想いなのでしょう。

それでは、倉木麻衣25thシングルの表題曲「白い雪」の歌詞の魅力を探っていきたいと思います。


白い雪

2006年12月20日発売
白い雪
作詞:倉木麻衣
作曲:大野愛果
編曲:池田大介


私は当初、「白い雪」の歌詞にあまり好印象を抱いていませんでした。その理由は、ありがちなシチュエーションにあります。
オレンジ色 灯した部屋の窓」「公園通り 帰り道」「かじかむ指先 温め」「掴んだ 雪の儚さ」などといったフレーズで構成される一番、二番の歌詞には特に魅力を感じませんでした。
文章量が少ない(サビに至るまで3行しかない)ことも相まって、歌詞に奥行きを感じ取ることができません。

白い雪 まだここに記憶の棘
哀しみが抜けないの 今もずっと

サビの歌詞には、全く無駄がありません。
“棘”を用いた歌詞表現は多々あれど、そのなかでも完成度の高い歌詞だといえると思います。
その自信があるのか、全てのサビにこのフレーズが填められています。
つまり、限りあるスペースのなかに同じフレーズがいくつも入っているということであり、いい歌詞ではありますが、自ずと内容が漠然として情報量が少なくなってしまっています。

正直、「ああ、今回は凡作か・・・」と思いが過りました。

しかし、大サビで倉木麻衣の本領が発揮されていました。
後 どの位 どの位 泣けばいいの?
こうして見てみると、大したことのないフレーズです。が、曲とのハマり具合が抜群、絶妙で、倉木の歌唱もずば抜けて輝いています。
その後、「まだ好きと誓う」を挟んで、
Give me your love... your love... one more time baby
と、英語のフレーズが来ますが、これもまた秀逸。なにが秀逸かというと、ここに日本語を持ってこなかったこと。ここに平易な英語を持ってきたことで、あまりにも素晴らしい「後 どの位 どの位 泣けばいいの?」の部分が映えているのです。日本語だったらどうでしょう。きっとあのフレーズの邪魔をしていたはずだと思います。
そして「後 どの位 どの位 待てばいいの?」の後もそうです。
まだ白い雪が... あなたに伝えて oh my love...
という、言葉足らずな歌詞がばっちり合っています。前の「your love」との対比もいい。

つまり、今作の肝は「後 どの位~」から始まる大サビにある。そう考えると全体の構成が見えてくるような気がします。
きわめて抽象的で内容が薄弱だと思っていた前半部分が、大サビを引き立てるがごとく、存在している。大サビでそれまで抑えられたものが爆発するかのような歌唱、そして曲に巧妙に合わせられた歌詞が、「白い雪」の魅力の最たるものなんだろうと思います。
レビューサイトを見てみると、「白い雪」の大サビを非難される方も結構いるような印象があります。曲だけでみると確かに唐突な感じを受けますし、非難する方の考えもなんとなく理解できます。
でも、私自身はやっぱり「白い雪」の大サビを聴いてなんて倉木麻衣らしいんだろうって思いますし、なんていうか聴いてるとワクワクしてくるような感じがしてきます。



『白い雪』の発売から約8ヶ月、いまだに味わい尽くせてないような気がします。
このあっつーい夏に、清涼剤としていかが?
ということで、季節はずれなこの時期に「白い雪」の歌詞考察でした。
それから、私の文章は極めて冗長だということで、以下のブログを見るのが一番だと思います。

OHHO日記 倉木麻衣さんの「白い雪」の感想・本編2
http://blog.livedoor.jp/ohho_nikki/archives/50902039.html

だったら書くなということになりそうですが、まぁ書いてしまったものは仕方ないということで(^^;)。

あとちょろっとだけ、続きます。
コメント
この記事へのコメント
こんばんは。show-catです。
ご無沙汰しております。

ブログを再開されて喜んでいます。

実は、SaySayさんの「Season of love」の最後の考察をまだかまだかと待っておりました。今回は、「白い雪」の考察ですが、「Sol」の最後の考察も宜しくお願いします。
2007/08/11(土) 23:41 | URL | show-cat #-[ 編集]
>>続きです。

「白い雪」ですが、私は、歌詞に余り深みは感じません。確かに、さすが倉木さんと思われる表現はされているのですが、この曲は、詞よりも倉木さんの声、歌唱の魅力が発揮されている曲だと思います。

大サビの部分については、私も賛成派です。ただ、曲の音楽構成からと倉木さんの歌唱についてです。

大サビ部分の詞については、私は、もう一つしっくりきません。”後 どの位 どの位”が”I don’t cry don’t cry”と掛けられているという説もありますが。

ところで、私も6月からブログを始めました。ちょっと変わったブログですが、お時間あれば、覗いてみていただければ幸いです。
2007/08/12(日) 00:10 | URL | show-cat #-[ 編集]
>show-catさん

コメントありがとうございます!
ブログを再開したかいがあるというものです。

「Season of love」の考察に関しては、いずれ必ずやるつもりです。
ただ、私のなかで結論を出すに至るまで、もう少し時間がかかりそうです。

確かに、「白い雪」の歌詞が倉木さんの他の曲の歌詞に比べて特に素晴らしいとは思っていません。
show-catさんが仰るように、「白い雪」は倉木さんの歌唱を特筆すべき曲だと思います。
しかし、今回は言及しませんでしたが、「白い雪」の歌詞にはあるとんでもない仕掛けが施されており、私はそれなりの深みを感じています。それについては、次回書く予定ですので、乞うご期待です(笑)。

大サビ部分の歌詞に関しては、私自身は“I don’t cry don’t cry”と掛けられていると思っていません。もし掛けるとするならば、2番目の「後 どの位 どの位」を“I don’t cry don’t cry”に変えた方が効果的ですし、またそうしないと意図はほとんど伝わらないと思うんですよね。
ただ、音的には非常に似ているのでおもしろい解釈だと思いますし、簡単には切り捨てがたい説です。

show-catのブログはさきほど拝見しました。
非常に価値的なすばらしい試みだと思います。
世界の英語圏で広まっていくといいですね。もし外国の友達ができたら推薦しておきます(^^)。
2007/08/12(日) 01:34 | URL | SaySay #-[ 編集]
こんばんは。

ブログ訪問いただきありがとうございました。

「白い雪」の考察続編を楽しみにしています。
2007/08/12(日) 22:55 | URL | show-cat #-[ 編集]
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